「お隣さんが、どうもゴミ屋敷らしい」。アパート暮らしで、これほど不安でストレスの溜まる状況はないでしょう。毎日漂ってくる異臭、共用廊下で見かけるゴキブリ、そして何よりも怖い火事の危険。平穏なはずの我が家が、常に脅威に晒されているような感覚に陥ります。しかし、隣人トラブルは非常にデリケートな問題です。直接苦情を言って関係が悪化するのも怖い。かといって、このまま我慢し続けるのは限界だ。そんな八方塞がりの状況に陥った時、私たちはどのように行動すれば良いのでしょうか。まず、絶対にやってはいけないのが、感情的に相手を問い詰めることです。これは、相手を意固地にさせ、問題をさらにこじらせるだけです。第一歩として行うべきは、アパートの「大家さん」または「管理会社」に相談することです。アパートの所有者や管理者には、住民が安全で快適な生活を送れるように、建物の環境を維持する責任があります。隣の部屋がゴミ屋敷化している現状、それによって生じている具体的な被害(悪臭、害虫、火災の不安など)を、冷静に、そして具体的に伝えましょう。相談する際は、いつからどのような被害があるのかを記録したメモや、共用部分にまでゴミが溢れている場合はその写真など、客観的な証拠があると、話がスムーズに進みます。大家さんや管理会社は、賃貸借契約に基づき、住人に対して善管注意義務(部屋を適切に管理する義務)を果たすよう、指導や注意勧告を行うことができます。それでも改善されない場合は、契約解除や退去を求める法的な手続きに進むことも可能です。もし、大家さんや管理会社が動いてくれない、あるいは、火災の危険性が非常に高い、衛生状態が極めて悪く健康被害が出ているといった深刻な状況であれば、自治体の環境課や保健所、消防署といった行政機関に相談するという選択肢もあります。一人で抱え込まず、適切な相談先に助けを求めること。それが、この困難な状況を乗り越えるための、最も賢明な一歩です。
アパートの隣室がゴミ屋敷!どうすれば?