本日は、かつて自身の家庭をゴミ屋敷化させてしまい、一時的に子供を施設へ預けることになった経験を持つAさんに、当時の心境と回復までの過程をお伺いしました。Aさん、当時はどのような状況だったのでしょうか。最初は本当に些細なことでした。産後、夫が多忙で実家の助けもなく、私は1人で育児をしていました。寝不足と疲れで、ゴミを出すのが1回遅れ、2回遅れ……気づけば玄関にゴミ袋が溜まっていました。それを誰かに見られるのが恥ずかしくて、さらに外に出せなくなり、次第に部屋中にゴミが広がっていきました。子供への食事も、ゴミを避けて買ってきたコンビニ弁当をあげるのが精一杯でした。その時、誰かに助けを求めようとは思わなかったのですか。思えませんでした。こんな状態の家を見られたら、母親失格だと思われて、子供を連れて行かれる。その恐怖で、誰にも相談できず、カーテンを閉め切って生活していました。でも、実際には子供のためになっていなかったんですよね。転機は何でしたか。保健師さんが何度も家を訪ねてくれたことです。最初は居留守を使っていましたが、ドア越しに「責めに来たんじゃない、あなたの体が心配なんだ」と言われて、思わず鍵を開けました。そこからは、清掃業者さんに入ってもらい、私もカウンセリングを受けました。子供とは離れて暮らす時期もありましたが、それがお互いのために必要な時間でした。今はどうですか。今は小さな部屋ですが、毎日掃除をして、子供と一緒にご飯を食べています。当時の私と同じように、誰にも言えずにゴミの中で苦しんでいるお母さんはたくさんいると思います。どうか、恥ずかしがらずに助けを求めてほしい。それは子供を守ることでもあるから。Aさんの言葉からは、ゴミ屋敷が決して怠慢から生まれるものではなく、孤独と恐怖の結果であることが痛いほど伝わります。社会が「母親ならできて当たり前」というプレッシャーを取り除き、孤立する親子に早期に手を差し伸べることが、ゴミ屋敷とネグレクトを防ぐための何よりの特効薬になるはずです。