ゴミ屋敷の清掃において、最も視覚的に圧倒されるのが「どのくらいのゴミが出るのか」という点であり、それはしばしばトラックの台数で表現されます。一般の方の想像を遥かに超える量が、あの狭い空間に凝縮されているのです。例えば、一般的な一Kの汚部屋であっても、ゴミが腰の高さまで積もっていれば、二トントラック一杯分(約五立方メートル)のゴミは確実に出ます。もし天井まで埋まっていれば、同じ間取りでも二トントラック三台から四台分が必要になることも珍しくありません。これが一軒家のゴミ屋敷となると、二トントラックで十台分以上、重さにして数トンから十数トンの不用品が排出されることになります。なぜこれほどの量になるのかと言えば、ゴミ屋敷の中では物が圧縮されているからです。雑誌や新聞紙は湿気を吸って重くなり、衣類は幾重にも重なって層を成し、食べ残しが入ったままのペットボトルや缶が山を形成しています。これらを一つずつ解きほぐし、袋に詰めていくと、元の体積の数倍に膨れ上がります。排出されるゴミの種類は多岐にわたり、最も多いのは紙類や衣類ですが、ゴミ屋敷特有の物として、大量のコンビニ容器や飲みかけの飲料、さらには未開封のまま放置された宅配便の箱などが挙げられます。また、床下から数年前の賞味期限切れの食品が大量に発掘されることもあります。これらの膨大なゴミを処分するためには、自治体のゴミ処理施設への持ち込みや、民間業者による適正な処理が必要ですが、その手続きと搬出作業だけでも膨大なエネルギーを消費します。近隣住民の方は、トラックが何度も往復する様子を見て初めて、隣の部屋にどのくらいの物が詰まっていたのかを知り愕然とします。ゴミの量は、住人の孤独の深さや、社会との断絶の期間に比例すると言っても過言ではありません。この膨大な「負の遺産」を一度にリセットすることは、肉体的にも精神的にも大きなカタルシスをもたらしますが、同時に適正な処分ルートを確保することが、環境保護の観点からも極めて重要になります。
ゴミ屋敷から排出されるゴミの量とトラック数